TEAP利用の早大受験とは


今年(2017年)、早稲田大学は、文化構想学部と文学部の2学部で、「英語4技能テスト利用」入試をスタートさせた。
募集要項には、こうある。

「英語4技能テスト(TEAP、IELTS、実用英語技能検定(英検)、TOEFL(iBT))の何れかにおいて下記の基準点・基準級を上回っている者について、国語と地歴2教科の合計点により判定します。国語・地歴それぞれにおいて合格基準点を設けており、基準点に満たない場合は、不合格となります。」

TEAPで、総合点280以上をとれば、英語の入試は免除されるのだ。ただし、Reading,Listening,Writing,Speakingの各技能は65を越えなくてはならない。つまり、80+70+70+60=280は不合格となる。
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2017年度入試の結果は、すでに公開されている。

文化構想学部
一般受験  募集430 受験9835 合格886 11.1倍
英語4技能 募集 70 受験528  合格293 1.8倍

文学部
一般受験  募集390 受験7720 合格850 9.1倍
英語4技能 募集 50 受験350  合格182 1.9倍


英語4技能テストを利用した受験は、受験生においしい入試のように見えるが、はたしてそうだろうか。

2016年の入試データでは、
文化構想学部と文学部の受験者数は
それぞれ8596名と7494名、
そのうち、5030名(文化構想学部の受験生の58%、文学学部受験生の65%)が両学部を重複受験している。
(この2学部の同時存在はいまだに合点がいかない)

乱暴かもしれないが、この数字を今回の「英語4技能テスト利用入試」の受験生に援用してみよう。

この2学部の受験生が半分以上重複しているとすれば、
合格者数は、一般受験合格者(通常、募集人数の2倍以上)よりも多くの合格者を出さねばならない。

ここで、仮に2をかけてみる。

文化構想学部:70×2×2=280
文学部:50×2×2=200

上の数字(293、182)にほぼ一致する。
(大いなる知性が早稲田にいて、2をかけるのだろう。)
したがって、この2学部の受験倍率は、一般的なそれとは、全く異なっているということを知っておかねばならない。

TEAP の総合点280以上を、ひょっとしたら、英検1級・準一級等をとっているにもかかわらず、
528名のうち235名が、350名のうち168名が落とされている事実のほうが重いように思う。

彼らは、なぜ落ちたのか。

学部が学部だけに、「早稲田の国語」に対応しきれない受験生であるわけがない。
とすれば、日本史や世界史がふるわなかったのだ。

しかし、彼らのなかには、「一般受験」では、得意の英語で高得点をあげ、ふるわない日本史や世界史をカバーして、めでたく合格を手にしている受験生がいることだろう。

これが、どういうことか、よーく考えてほしい。英語が免除される、メリットとデメリットのことだ。

では、早大文化構想学部や文学部を受験する場合、どんな人がTEAP等を利用して得をするのか。

「早大英語」には対応しきれないが、「TEAPや英検」は楽勝という、「ありそうもない英語力の持ち主」だろうか。

いやいや、来年以降ありそうなのは、

① 高1あたりから、個人で、あるいは、学校ぐるみ(耳に入っている)で、「TEAPの準備」を始めており、高2の段階(初年度のTEAP)でほとんどの基準点を突破しており、高3の1年間をほぼ国語と地歴に捧げることができる人、ということになるだろう。このような層が、来年以降、数多く出現すれば、大学側は、募集人数の変更を迫られるだろう。TEAPは、2年あれば十分準備できるたぐいのテストだ。
あるいは、
② 今年度の低倍率に目のくらんだ受験生が殺到するかもしれない。(上智で起きたことが再現されるか)

結論:
現段階では、受験機会が増えただけではないのか。

① 「センター+一般入試」
② 「センターのみ入試」
③ 「一般入試」
④ 「英語4技能テスト利用入試」

親は受験料を二重三重に払わされることになるという、大学による大学のための新制度ということである。

この大学は、記述を中心とした入試など眼中にないと思われる。残念なことだ。

参考までに、
下の表は、上智大学のTEAP出願基準スコアである。
外国語学部 英文学科の 300 (70, 70, 70, 70) が目立つが,
早稲田に近いのは、文学部英文学科 280 (70, 65, 65, 65) だけである。

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(6月17日に、以下を追加)

上智大学は、「2017年TEAP利用型入試」の合否データを発表している。
心理学科の7.4倍、ご愁傷様です。
総合グローバル学部は、40人の学生をとるために、521人中145人を合格させたということがわかります。
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