想像力で解くのかな?むずい!!
問5「我にもあらず起き別れにし袖の露、いとどかこちがましくて」を口語訳せよ。
例の人知れず中道近き空にだにたどたどしきタ闇に、契り違へぬしるべばかりにて尽きせず夢の心地するにも、出で聞こえん方なければ、ただ言ひ知らぬ涙のみむせ返りたる。あか月にもなりぬ。枕に近き鐘の音も‘ ただ今の命を限る心地して我にもあらず起き別れにし袖の露、いとどかこちがましくて、「君や来し」とも思ひわかれぬ中道に、例の頼もし人にてすべり出でぬるも、かへすがへす夢の心地なんしける。
{口語訳のはて}
いつもは人の通らない道の、近くの空でさえよく見えない夕闇迫る頃に、義理で形ばかり訪ねて来ても、この上もなく夢のような感じがするので、日頃のつらい思いを口に出して申し上げるような勇気もなくて、何とも言いようもなくむせび泣くばかりだった。やがて夜明け前にもなった。枕もと近くに聞こえるの鐘の音も、今ここで死ぬのだよと言っているような気がして、泣きながらはっと我にかえるが、あの人はもういなくなっていて、次々とあふれてくる涙のせいで、ますますあの人を恨む気持ちが強くなって、「あの人は本当に来ていたのか」・・・・